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酒井信吾 代表 酒井信吾建築設計事務所

静岡の福祉施設に、エコハウスの設計をいち早く導入

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永田さんと一緒に活動されているのですね。

そうなんです。
気が合わなきゃ無理ですね。
まず全部開ける。それから、エコハウスという考え方を、素直に取り入れるか、取り入れないかっていうあたりも重要です。
丸谷さんのお話を、最初にエコハウス研究会聞いたときに、2人して「よしこれいいじゃん。素晴らしいじゃん」と、そのまま突っ走っていったのは、本当に2人だからできたんだなと思うんすけどね。
1人が「こんなんやらねえよ」とか「そんなの賛同しないよ」とか言ったら、できなかったと思うんすけど。

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エコハウス研究会のお話を聞いたのはいつですか。

たしか2013年の5月くらいでした。

丸谷さんが、浜松でエコハウス研究会をやったときなんですよね。静岡で初めてだったと思うんですけど。
なんか2回か3回目かもしれませんけど。その時は、この施設の実施設計に入っていて、ほとんど設備設計まで終わってたんですよ。だけど、丸谷さんのエコハウスの話を聞いて、全部ひっくり返したんです。

その設備設計士に、ちゃんと説明して「お願いします」と。設計やり直しで、輻射冷暖房に切り替えました。結構大変でした。
風の送り方の考え方、集熱の仕方、全部違いますから。
もちろん、何度も丸谷さんの東京の事務所に通って、教えていただいて。
それを説明して。
それで、これでやるからってことで。どうしても、やりたいからってことで。「ちょっともう終わっちゃってるけど」ってことで、お願いして。
それで、全部やり直したっていうか、ひっくり返したんですよね。元々は普通の空調のエアコンでしたから。

輻射冷暖房っていうのは、やっぱ素晴らしいってことを、当然その設備設計の方も知ってらっしゃってね。ああいう新しい形式のパネルってのは、もちろんやったことなかったんですけど。輻射暖房とかってありますよね。よく。鉄とかもその中温水流してる。ボイラーで温めて、その温水流して、みんな輻射暖房でやりましたから。そういうので、よさっていうのは、分かってたからってこともあったと思うんです。

今後どんな「そらどま」になっていくのでしょう

基本的に、この施設もそうなんですけど、本当にいて気持ちいいっていうことですよね。
そういう施設になると思ってるんですよ。それは当然全てにおいてですよね。
まあ、永田酒井風って言ったらいいんでしょうかね。
ちょっと漠然とした言い方になっちゃうんですけど。
輻射冷暖房もそうですけど、それだけじゃなくてね。
もちろん木の温かみとか、それから形とか、それから色とかですね。
そういうものが全て、カンファタブルっていうんですか、必要だと思うんですよね。

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大規模な建物で全面的にやるのはすごい

丸谷さんは、フルスペックだって言ってますけどね。
癖になりそうですね。
前からパッシブソーラーって考え方は、非常に素晴らしいなと思ってたんですよ。いろいろやり方あって、いろんな方法があって、いろんなところでやってたんですよね。
どうも、いまいちピンとくるのがなくて、当然OMも知ってましたけど。OMもすごいお金かかるし。それを説得して入れてもらうの大変だし。それじゃなくて、丸谷さんはオープンシステムですから。
それが素晴らしいなって思います。地方、地方で、それぞれ進化してって、それぞれの「そらどま」ができるってことが、また素晴らしいなと思うんですね。丸谷さんのお考えですけど。
当然やっぱりそれが正解だと思うんすよね。
それぞれの地方によって、やり方は違うし、考え方も違うし。当然、寒暖が違うわけですからね。
あったかさも、寒さも地方によって全部違うわけで。湿度もね。それぞれ地方によって違うので。それやっぱそういう考え方は素晴らしいと思いますけどね。

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エコハウスマイスターの講義に関してはどんなふうに感じていますか。

いやあもう素晴らしいですね。ものすごい勉強になりました。

ただ、内容が盛りだくさんでですね。ちょっと復習が追いついてないって段階ですかね。
一番印象に残っているのは、全ての自然って言いますか、全ての万物が、やっぱり太陽の影響を受けてる。太陽さんのおかげなんだよっていうことですね。
基本的な思想っていうか。私はそう感じたんですけど。それが輻射冷暖房に通じるところなんでしょう。それから「そらどま」にも通じるところなんでしょうけどね。
目からうろこっていう感じではありますよね。

だから、基本はやっぱり自然を大切にする。それから、自然の恵みを受けるっていうのは「そらどま」であり、輻射冷暖房だと思うんすよね。
今の建築っていうのは、そうじゃないと感じています。自分たちが、人工的に作り出そうとしてるわけですよね。
もちろん、そういうところから、建築は始まったと思うんですけど。
それはやっぱり、根本的なところから、間違えてるんじゃないかと思いますけどね。
全部、人工化学から造った建材とか、仕上げ剤とか、そういうのを使って家を造っちゃってるんですよね。
そもそもの間違いだと思います。それとか、安けりゃいいで外材を使ってみて、言っちゃいけないかもしれませんけど、中国産を使ってCO2を振り蒔いて持ってくるわけですよね。
それでエコハウス造って、どこがエコハウスなんだっていう感じですよね。

丸谷さんの本にも書いてありますけど、私たちの身の回りの物が、本当にほとんど化学物質でできているっていうか。化学物質ばっかりに、なっちゃってるっていうことですよね。それも、もちろんうちもそうだけど、その他のものも、そうですよね。筆記用具もそうだし、着るもんもそうだし。だからせめて、人間が衣食住じゃありませんけど、住っていうのは、根源のところですから。そこは、なんとか真剣にしなきゃいけないと思いますけどね。真剣に、なんとかしなきゃ、いけないんじゃないかと、思いますけどね。それが、とりあえずの最短距離っていうのが「そらどま」であり、輻射冷暖房であると思います。
エコハウスって、いろんな考え方あるし。いろんな人がいますけど。丸谷式エコハウスっていうのは、そういう意味では、非常に共感を覚えるっていうんですよね。