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西高幸 専務取締役 株式会社西工務店

“住まい”に暮らしを合わせるのではなく、“暮らし”に住まいを合わせる「自分スタイルの家作り」。体に優しく、地球に優しい吟味された素材を使う「ロハス・スタイル」。そして、伝統の技で作る木の香り漂う木造軸組工法の健康住宅。この3つをコンセプトに掲げる西工務店の専務・西高幸さん。素材や建て方をひとつひとつ吟味し、本当に過ごしやすい住まいをクリエイトしていくことで、人と暮らし、地球と環境に優しいエコハウスを提供しています。

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きっかけは、丸谷先生の建築のファンだったこと

エコハウスマイスター講座を受講したきっかけは、丸谷博男先生が講師をされていた福岡県の建設業協同組合主催の「力のある家づくりマイスター養成講座」です。もともと個人的に丸谷先生の建築が好きで、先生がデザインした「南のデザイン」の家を外から眺めたりしていたんです。建築業協同組合から送られてきた「力のある家づくりマイスター養成講座」の案内を見て、丸谷先生が講師をされているなら参加しようと思いました。講座は78回ほどで、1回の講座が半日〜1日とかなりハードなものでしたが、そのおかげで丸谷先生とつながることができました。

そして「エコハウス研究会」ができる前々年、2011年頃に「今度は“エコハウスマイスターの養成講座”を開講します」という連絡をいただいたので、また参加したいなと思って受講しました。

マイスターの認定証を見ると、がんばろうと思います

前回の「力のある家づくりマイスター養成講座」でかなりがっちり勉強したので、エコハウスマイスターでは新しい項目だけを盛り込んだ1日講座に参加しました。先生の書かれた「そらどまの家〜現代日本民家の標準をつくる本」を読ませていただき、当時勉強した内容がかなり網羅されていていましたが、以前よりも進化されていると思うことも多くありました。以前おっしゃっていたことと違ってきている部分もありましたが、やはり実際に進めていくうちに違っていたということもあったんでしょうね。

 

実は、妻も「力のある家づくりマイスター養成講座」を受講していたんですよ。妻は以前、ハウスメーカーの住宅展示場で働いていたのですが、一般の人に近い立場でどう感じるかを聞いてみたかったそうです。全講座に休まず通い、皆勤賞でした。専門的な細かいこと以外のアウトラインはだいたい理解できたそうです。やはり、お客様に聞かれるところは決まっているのでしょうね。今回のエコハウスマイスター養成講座は、費用的なこともあり、私だけの参加でした(笑)。エコハウスマイスターの認定書は、事務所に飾ってありますが、それを見ると、もっとがんばろうと思いますね。

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人と環境に優しい天然の建材を求めて試行錯誤

養成講座後は、京都の聖護院の見学会や、現場の見学会にも参加させていただきました。実際に「そらどま」が入っている家の中を見学するのは初めてでしたが、新しいできたて家という感じがまったくしなかったですね。全面クロス貼りの家ですと、家に入った瞬間にどうしても息苦しいような感覚があるのですが、それがないのがやっぱりすごいなと思いました。

天然素材の住宅建材「バウビオ」も不燃認定を取るのが難しいですよね。内壁と外壁の両方に使わないと認定が取れないんです。そのあたりがネックだなと思っています。内側に使うとコストが高くなるので、石膏ボードの代わりとして使いたくても、なかなか使えないんです。内壁材で認定が取れている建材はすべて石膏ボードなんですよね。外壁にグラスウールとロックウール、内側に石膏ボードという組み合わせが一般的ですからね。いろいろ調べましたが、素材の選び方や組み合わせ次第では蓄熱を和らげることができ、夏でも日が落ちるとリセットされて部屋の温度が全然違うということもありますので…。そうした素材選びに対する課題がうまく解消されると大きな広がりが期待できますね。

現在は、石膏ボードとウッドファイバーとサイディングの組み合わせで認定が取れているので、とりあえず断熱材はウッドファイバーを使うことにしています。私としては、内側にバウビオを使いたいと思っているので、さまざまな課題がクリアできるようになるといいなと思っています。

妻がぜんそく持ちで、化学物質の臭いが苦手なんです。それもあり、家づくりで意識しているのは「自分が住みたい家」。どんな人が住んでも苦しくない家。実はそれが一番難しいんですけどね…。

そのために天然の和紙を使った塗り壁など、地元の自然素材を使った建材にも着目してさまざまな挑戦や提案をしていこうと思っています。