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菅原律子 代表取締役 菅原律子設計事務所+itis

どんなエコハウスマイスターになりたいですか?

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エコハウス研究会に参加されたきっかけを教えてください。

私は、丸谷さんと知り合いになったのは、2013年1月頃で、サーティーフォーさんの省エネ住宅でクール暖の体験会からだったんです。クール暖というのは、何だろうとすごく不思議だったです。
輻射熱というのは、前の事務所にいたときから、冷暖房は輻射熱だと考えていたんですけど、なかなか具体的に取り入れるのは難しくて。出来るだけエアコンは使わないようにということで、平成元年のころから、洗面所とか部分的にですが、輻射熱のパネルを使ってました。あの当時のクール暖は、ピーエス暖房さんという北海道のメーカーさんで、スチールのパイプでした。
私が在籍していたピトリピコリという事務所は、輻射熱とかを取り入れるのは割と早かったです。私はそこの事務所でもエコ住宅を、割と早めに戸数を多くやっていて、雨水使ったり、草屋根の屋根を造ったり。自分で個人的に調べてやっていたので、なかなか体系的に出来なかったんですよ。そのへんが何となく渦巻いてる思いがあって、輻射熱と聞いたときに、これは行くしかないと思いました。
初めて丸谷さんのお話を聞いたとき、自分が必要としてたものだなと、直感で分かりました。


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エコハウスマイスター養成講座に参加されていかがでしたか。

私は以前、ピトリ・ピコリという組織事務所にいましたので、それなりに情報交換などできたのですが、今は2人でやっているので、横のつながりとして、他の設計事務所さんとなかなか話をする機会もないので、それが寂しいなと思っていました。研究会に参加したのですが、いろいろ知り合いが増えたりはしているのですけど、そこからまた、お付き合いが始まるかというと、なかなかそうでもないので。
出来るだけ「情報は常に更新したい」と、建築始めた当初から思いはずっとありました。それと今は情報の更新だけじゃなくて、建築に携わっているみなさんが、同じ悩みに対して、どういう角度で考えるのかなと。
そういう意見も知りたいなと、だんだん思うようになってきています。そういう意味では、研究会とかセミナーが終わった後の懇親会とかで、意見交換することは結構大事だなと。
丸谷さんの生の意見も聞けることもすごく素敵だなと思います。
丸谷さんご自身のお父さまは、化学の分野の方とお聞きしました。学校の授業で具体的なデータが無くて、教わりきれなかったところは、自分で数字をとったりしながらずっと研究してきたのは、お父さまの影響だとか。30年前から、ご自身が研究されてきたことは、裏付けがあるので説得力があります。裏付けや具体的な数字のデータが無いと、相手に対して説得力が無かったりするけど、丸谷さんのデータは、いろんな資料も活用していますよね。資料を集めても、なかなか立体的には説明出来なかったところなども、丸谷さんの講義に続けて出て行くと、自然にデータがストックされて、説明できるようになります。ほんとに欲しいなとか、前にこれが不足だったというところが、次に出てきたりして、すごいですよね。それは多分メーカーさんとか、同じような思いを持っている方が、不足しているデータを、惜しみなく提供してくださるからだと思うのですよね。
やっぱりおごっちゃいけないし、振り返りながら、ほんと大丈夫なのとか。新しい情報が出たり、いろんな技術があると、それを聞いて更新するぐらいのことをやらないと駄目だなと思いましたね。

菅原さん独立されて何年ですか。

私は事務所作ったのは、平成10年ですけど、実際に動き出したのは平成15年なので、まだ10年ですね。
住宅設計の傍らで、沖縄の移住の話もやっています。

沖縄は、観光地として、訪れるが人がうなぎ登りで上がってるんですけど
逆に建築数も増えてきて、家も狭いところにどんどん出来ていって、土地が無いのでちょっとしたウィークリーマンションみたいなものとかが、どんどん増えてるんですよ。

そういうのがどんどん出来てくると、あっという間に景観変わるし、人が来て建築が増えて経済が発展していくのはいいんですけど、やっぱりその土地に合った風土を考えたようなものをやっていかないと
沖縄には沖縄の町並みがあるわけですから、それがどんどん無くなってくと、どうなんだろうという思いになります

イタリアのアルベロベッロの三角とんがり帽子の家って、外から見てみんな同じように見えるけど、住まい方とかインテリアは、それぞれで違いますよね。
人の住まいと建築って、それぞれがバラバラに自己主張すると、全体で見たときには、あまりいい景色にはならいですよね。
植物とか風景を作っている自然があって、そこの風土に溶け込んでいて、中に入るとそれぞれの独自性でインテリアをしていくというような家が、人の住まいじゃないかなと思っています。
どうも奇抜にやっているのは好きじゃなくて、やはり北欧の建築というのはインテリアは素敵ですし、
外観はそんな奇抜でもないし、割と伝統的なというかオーソドックスなところを踏んでいるところが好きです。

人が暮らしていくための建築に向き合ったとき、
奇抜さのデザインに時間を掛けるより、家の質とか人の暮らしとかを考える方に、もっとシフトするべきだと思ってます。
だからインテリアとかは、ものすごく一生懸命やろうと思ってますね。

新しいプロジェクトが進んでいるとお聞きしました。

はい、具体的に名古屋のほうで私のプロジェクトがあって。
美容室の本社社屋なんですが、木造でやろうと決めて、クライアントさんの使い方もあるので、プランニングを進めてきたところです。
メゾネットハウスという大規模な木造の造り方があるんだけど、それにはちょっと構造的に厳しいところもあって、やりとりしながらやっています。

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菅原さんはどんなエコハウスマイスターになりたいですか。

やはり1日でも早くエコハウスで学んだような、本物の家を造りたいです。
徐々にそれが知れ渡って、家を造りたいという方がどんどん増えてほしですね。
省エネ住宅といっぱい言われてきてるけど、何が本当に省エネなのか、人の住まいって本当はどうなのか、ということが体験出来るような家を造って、どんどん広がっていくために、活動したいです。
知識としてだけでなく、具現化して、実際に見に来られた方が「いいわね!」と言ってくれるような、エコハウスマイスターになりたいと思いますね。
それが一番学んだところです。
本当にいいきっかけを作って下さったなと思って感謝です。